ミッションと沿革
私たちの「4つのミッション」
SRISの「横幹・基幹・展開」3部門に属する14の「スマート研究グループ(スマートラボ)」は、
次世代放射光の可視化を戦略的に用いて、学術・産業の価値をスマートに創り出します。
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Be a pioneer
新学術の創発と未踏研究領域の開拓異分野、異業種の融合する研究開発テーマを通して
新たな学術研究領域を開拓します -
Be an expert
イノベーション・エコシステムを支える可視化のエキスパートとして
産学の新たな価値の創造に貢献します -
Be an entrepreneur
国際的な大学-放射光施設間アライアンスの形成 海外の放射光施設や研究機関と研究ネットワークをつくり
国際競争力を強化します -
Be a person with an open mind
インターナショナルに活躍するリーダーの育成全国の大学院を統合した放射光大学院連合を設置し、
新しい学術や産業の創出を先導する若手研究者を育成します
明るく温かいコミュニケーション。
そこからイノベーションが生まれる。
ナノの世界まで探索する「放射光」。
ほぼ光の速さで直進する電子が、磁石などでその進行方向を曲げられた際に放つ電磁波 (光)を「放射光」といいます。この光を使うと、原子や分子、ナノサイズの構造から、電子が関わる機能まで観察できます。その応用範囲は広く、これまでに医学、生物学、化学から、物理学、工学、物質科学にわたり活用され、今後は農学や食品科学なども対象になると期待されます。
放射光が電子シンクロトロン(電子加速器)で初めて観測されたのは1947年。1960年代半ばには高エネルギー物理学実験用の加速器で寄生的に物性研究を行うことが盛んになりました。1974年には、世界初となる放射光専用の加速器の運用を、東京大学原子核研究所が開始。1990年代には、硬X線領域はSPring-8 (理化学研究所、兵庫県播磨科学公園都市)、極端紫外領域はUVSOR-III(分子科学研究所、愛知県岡崎市)において光源の高輝度化が進み、これまで産学の利用を推進してきました。一方、軟X線領域の高輝度光源は日本国内にない状態が続いており、日本の産学の国際競争力を強化するためにも、その整備を求める機運が高まっていました。
2018年文部科学省は「官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進」を発表し、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology)とともに次世代放射光施設(軟X線向け高輝度3GeV級放射光源)の整備と運用の主体となる「地域パートナー」を募集。そして、地域パートナーとして一般財団法人光科学イノベーションセンター(PhoSIC, Photon Science Innovation Center)を代表機関とする宮城県、仙台市、国立大学法人東北大学、一般社団法人東北経済連合会が選ばれました。仙台駅から西へ地下鉄で9分というアクセスのし易さ、東北大学青葉山新キャンパスの緑豊かな丘陵地で、2024年度から本格的な運用が開始します。
学術界と産業界を結ぶ「場」。
SRIS(スライス)、始動。
次世代放射光施設を核に、異業種、異分野のイノベーションを戦略的に創出し、新たな学問や研究領域を開拓する――それが東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(SRIS, International Center for Synchrotron Radiation Innovation Smart)の使命と責務です。
本センターは、QSTとPhoSICに対し、エンドステーションの設計・整備から産業界ユーザーの施設活用までを高度に支援します。また東北大学全学で推進する『東北大学ビジョン2030』に沿った「リサコン4極構想」として、欧州、米国、アジア・オセアニア、南米のトップクラスの大学・研究機関と連携し、世界のリサーチコンプレックス間のハブとなることで、インターナショナルな成果発信と情報収集を可能にします。さらに、国内外の連携機関と共に、広い視野かつオープンな議論ができる研究・教育の場を醸成します。
SRISは学内外に対する次世代放射光施設の利活用に役立つ情報や国内外の研究機関との連携について、ワークショップやシンポジウムを通して継続的に発信しています。一般から研究者、経営者それぞれに向けて戦略的に広報し、豊かな人材と智が集まり、さらなる成果を生み出していく、このようなスパイラルアップするエコシステムの形成に挑戦します。