Tohoku University, International Center for Synchrotron Radiation Innovation Smart (SRIS)

研究者紹介researchers

スマートラボ・研究部門紹介国際連携スマートラボ

スマートラボ・研究部門紹介Smart lab, Research department

国際連携スマートラボ
メンバー
研究概要

マテリアルの潜在能力を引き出す

マテリアルは人類の生活を根底から支える、いわば空気のような存在です。我々科学者には、既存の概念を覆す革新的マテリアル機能を創出して人類に貢献し、持続可能な社会を創造する使命があります。我々は、あらゆる計測手段の利活用と国際連携研究を推進し、新たな学術領域を開拓します。アプローチは無数にありますが、以下に主なものを挙げます。
1.原子間隔は、固体マテリアルの性質を決定づける最も根源的なものです。巨大な原子間隔変化をリバーシブルに引き起こせれば、未知の物性や新たな機能を後天的にもたらすことができるでしょう。我々は、伸縮自在な固体のナノ超薄膜に注目します。磁気的性質=スピン物性を中心として、その物性制御原理の提案や、ナノテラスを活用した背景サイエンスの理解とフィードバック、そして社会実装につながる力学センシング技術の開拓を進めます。これにより、「スピンエラストロニクス」、ひいては「ナノエラストロニクス」という新たな学術領域を開拓します。
2.ナノ磁性体は情報記録に用いられていますが、それらの磁気的相互作用を活用し、「知的に振る舞うナノ磁性体」を実現します。例えば、無電源で力覚を検知して記憶し演算できる素子を開発します。
3.1や2の取り組みを通して、スピントロニクスの社会実装範囲を飛躍的に拡大し、分野にゲームチェンジをもたらします。同時に、計測・制御技術の発展に貢献します。ナノテラスの光と他の計測手法の融合や、計測・制御のDX化を強く推し進め、新たなユースケースを開拓します。

スピンエラストロニクスの構想。

知的に振る舞うナノ磁性体のイメージ(上)と、作製中の素子の写真(下)。