Tohoku University, International Center for Synchrotron Radiation Innovation Smart (SRIS)

研究者紹介researchers

スマートラボ・研究部門紹介界面計測スマートラボ

スマートラボ・研究部門紹介Smart lab, Research department

界面計測スマートラボ
メンバー
研究概要

表面・界面及び2次元物質の機能を可視化するための計測法開発

表面や界面は、摩擦、親水/撥水性、錆び、接着、吸着、 電池電極、固体触媒など、身の回りの様々な現象に関わっていますが、原子レベルでの理解は十分に進んでいません。一般に、表面や界面の特異な性質を発現している場所は、厚さにして1ナノメートル程度の数原子層の極薄い領域です。例えば厚さ1センチの物質に対して、厚さ1ナノメートルの表面は1千万分の1の割合しかありません。私たちは、その薄い領域からの微小な信号をとらえるために、高輝度な新しい放射光を利用します。放射光の高輝度な軟X線を真空中で物質の表面に入射すると、光電効果により光電子が放出されます。その光電子を検出して分析する手法は光電子分光法と呼ばれ、表面や界面の性質を支配している電子状態を調べる強力な分析ツールです。新しい高輝度な放射光を利用することで、より微小な領域の分析が可能になるため、物質の組成や電子状態の分布を顕微鏡的に観察できるようになります。また、明るいX線でより短時間で計測可能になるため、反応による表面の変化などダイナミクスの観察が可能になります。一般に光電子分光実験は高真空中で行うことが常識ですが、私たちは動作中の電池や触媒などの反応ダイナミクスを観測するために、大気圧に近い環境下でデバイスが動作している状態(オペランド)での計測を可能にする実験装置の開発を行っています。また、表面の精密構造解析を行うための回折法の開発も行っています。

ニッケル表面に成長するグラフェンの光電子顕微鏡像とスペクトル

独自に開発した回折法による決定した表面構造